新自由主義と闘って勝てる! |
正規・非正規の分断を破った精研労組スト 東京北部労組交流センター |
月刊「労働運動」6月号 発行 |
東京武蔵野病院・精研労組は、12春闘を、「雇い止め撤回・栄養科の外注化阻止」、定昇凍結粉砕・大幅一律賃上げ要求を掲げて闘ってきました。春闘山場の4・28ストライキ(36人がスト参加)まで、実に21波・のべ150人が参加しています。資本との激闘から、さらに春闘・夏季一時金闘争に入っています。最大の特徴は、新自由主義攻撃と対決し、正規・非正規の分断をのりこえる労働者の闘いをつくり出そうとしていることです。 |
正規・非正規分断の闘いにチャレンジ |
精研労組は2月の組合合宿で、正規・非正規の分断を本気でぶち破ろうと論議しました。昨年11月労働者集会の参加者が前年より減少したことを総括し、労働組合として徹底的に強化し、文字通りの拠点にしていく挑戦に2012年冒頭から踏み込んだのです。
3年前に経営陣が交代して以降、非正規の固定化・拡大という現実(看護補助者ではこの3年来、正規職になったのは2名のみ)がありました。一般論として「正規も非正規も団結しよう」と確認するだけではとうてい通用しないというなかで、非正規の賃上げ一非正規職撤廃を徹底的に据えきったことが、まず決定的でした。 |
団結強化・拡大のための指名スト戦術 |
精研労組の春闘は、波状ストとして闘われてきましたが、数度のストを除くといずれも数名規模であり、それ自体は直接に経営に打撃を与えるものではありません。重要なことは、指名ストを、徹底的に団結の強化・拡大のために位置づけてきたことです。昼夜2交代勤務に追われる看護部の労働者や勤務形態がまったく違う栄養科の労働者は、団結どころか日常的に話し合うことさえ簡単なことではありません。いつどこで誰をストに入れるかを意識的に設定したのです。昼休み集会が営々と積み上げられ、資本の分断攻撃の本質が暴かれると同時に職場に怒りが還元され、資本を追いつめてきたのです。
さらに人員削減による職場の安全問題に焦点を据え、反合理化・安全闘争として闘ったことが重要です。職場の人員は、この4年間で695人から649人へと46人も減り、事故の平均発生件数は171件から287件と実に116件も激増しています。
こうして新自由主義との路線的対決を鮮明にさせ、その立場から地道堅実な扇動、組織化を積み上げたことで、現場にあふれる怒りが団結へと組織されていったと総括できます。 |
結節環となった3 ・10春闘集会 |
春闘の結節環となったのが、鈴コン闘争との連帯を掲げた3 ・10春闘集会でした。従来の地区春闘集会を今年は精研労組の拠点化政策として絞りきり、設定しました。昼休み集会は組合員と支援100人近くが結集し、大成功しました。同じ板橋区で闘っている西部ユニオン鈴コン分会との地域的連帯もものすごい力を発揮しました。このなかで2名の労働者が「動労千葉を支援する会」に加入しました。国鉄闘争全国運動の実践の一環として職場で闘う労働者が自覚的に一人、また一人と結集することは、職場の力関係を一変させます。こうして春闘全体を徹底した新自由主義との対決として団結を追求してきたことが、職場全体を変えてきたということです。 |
闘いのなかで労働者は変わる! |
4月過程では3度にわたる大規模なストライキが闘われ、うち11日には外注化・雇い止め攻撃の焦点である栄養科で17人、看護部13人がストに入り、ついに職員食堂の業務が止まりました。数十年ぶりの事態です。激しい攻防にもかかわらず、参加者には動揺やためらいの色は微塵もなく、院内デモ最中にスト参加者が病棟の仲間に手を振り合う状況は、実に明るく解放的でした。スト解除の時間になってもスト参加者が帰ろうとせず、「額の問題じゃない。普段は勤務時間も違う労働者同士がこうやってみんなで論議できる場がほしい」「自分たちが職場を握っている。管理者も何も口出しできない。これが職場支配権か」と話が尽きないという状態でした。
特筆すべきは、闘いのなかで組合員が20人近くも増えていることです。朝ビラをする組合員に「自分もストがやりたい」と組合に加入した労働者がいます。新自由主義経営を倒したい、そのために組合を拡大したい。これが大衆的欲求になっているのです。 |
組合として団結することで労働者は変わる! |
組合として団結することで労働者は変わる、労働者には自己解放と団結の力があるということです。まず正規労働者が体を張って正規・非正規の分断を破る闘いに打って出るならば、必ず職場の労働者は立ち上がる。新自由主義とは一見凶暴ですが実はもろい。闘えば勝てる。
3 ・11情勢とは、そういう情勢です。
世界大恐慌下、破たんした新自由主義の絶望的激化に、資本家階級の展望はありません。しかし、労働者階級は、資本家階級の不正義性をつかみ、現状の変革を望み、自発的行動を開始しています。むしろ立ち遅れかねないのは私たち交流センターの方です。現情勢を革命情勢とはっきりとつかみ、決定的チャンスとして打って出ましょう。 |
すべての職場に国鉄闘争がある! |
総括の核心は、執行部が国鉄闘争と一体で職場闘争を闘ってきたことです。今春闘で資本は、看護師長などの役職者にのみ1万円の手当賃上げをし、一般職内の分断を策動してきました。さらに正規職希望者のうち、無資格者のみ試験制度を導入しようとしてきました。まさに分断を本質とする新自由主義攻撃そのものです。これに対して、組合が「これはJRの新人事賃金制度と同じだ」と喝破し、直ちに反撃に出られたのは、執行部を中心に「動労千葉を支援する会」が組織されていたことが大きかったのです。また、組合内交流センター会員がJRビラまきに取り組むことで、体を通して国鉄と職場を一体のものとしてつかんできていたのです。
今やすべての職場に国鉄型の新自由主義攻撃がかけられています。しかし、新自由主義は闘ったら勝てる。そのことを精研労組の闘いは示しました。
病院内行動への警告、業務上ミスを口実とした処分攻撃など資本の反動も強まっています。職場に活動家集団をつくり、地区の闘う拠点をつくる挑戦を、精研労組の仲間とともに成し遂げます。あらゆる職場に新自由主義と闘う拠点をつくり上げていきましょう! |
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